
先生とアイツ
第7章 *別れ~賢斗~
「お兄ちゃん!」
俺達は病院の一室にいる。
俺達の目の前には……
あゆの兄が、酸素マスクをつけて眠っていた。
「お、お兄ちゃん……ヒックヒック」
あゆの顔は涙でぐちゃぐちゃだ。
あゆ……
なにもできない悔しさ。
俺達は、無力……
あゆが苦しんでるのに、何も言えないもどかしさ。
「わぁぁぁぁぁぁんっ」
兄の手を握るあゆ。
あゆのお兄さんは、
お母さん達を迎えに行き、
その帰りにジコにあったらしい。
《お兄さんは今、とても危険な状態です…》
医者のおっさんが言ってた。
