先パイ、これは恋ですか?
第14章 計画
(志音side)
残った私と蓬。
2人きりの正門。
本当に久しぶりのシチュエーションだ。
中2の頃 同じクラスになってから 家が近いと気付いた。
ただのクラスメートだった。あの頃から 板に付くような笑顔は出来上がっていて 勿論 女子からの人気が凄かった。
だけど何故か私には笑顔を見せず 素で話してくれた。
本性を知った時 初めは驚いた。本当に。
ただ どうして私には初めから素で接したのか 本性をバラしたのか分からなかった。
それが不思議 で考えていくうちに…………。
いつの間にか私の中で大切な人へと変わっていった。
皆が知らない顔を私だけが知っている。
その事が そう思わせたのかもしれない。
一種の独占欲。
しかし 私はその思いを顔に出すことは無かった。
どう接したら良いのか分からなくなるのが怖かったから………。
ただただ 胸の中に気持ちを押し込んでいた。