
新月
第1章 普通
「あのクソババア、焦らせやがって、」
「あ、俺!天翼 白(てんよく はく)っていいます。
貴方は…一体?」
彼は満面の笑みでこう言った
「俺は世界っていうんだ、保健室の先生だよ。」
「………ええ!!」
しまった、あからさまに嫌な顔をしてしまった。
「オッサンで悪かったな」
世界は一瞬、ムッとした顔をしたが、
すぐに流してくれたようだ
「いや、すみ…ま…せん」
(何だ?今変な感じが)
それを世界が笑いながら
ツッコもうとする
「どうしt………」
ほんの一瞬の沈黙
次の瞬間
世界が振り向いた
「早すぎる………」
それは聞こえないくらい小さな声だった。
繋げて言う
「…帰れ」
「え?」
何が何だか分からない。
「いますぐ帰れ!死にたいのか!!」
今までとは違う。
険しい表情に驚く。
そして……気付いた。
(殺意は俺に向いていない……狙いは……)
