テキストサイズ

新月

第2章 ドロップアウト

魔方陣のような場所の中心で
世界が構える
「まずは……」

ボウ!

世界が右腕を振ると青い人魂のような物が現れる

「あの時の光…」
白は呟いた

「さあ、始めるぞ」

その手で俺の右手を触る
その瞬間、魔方陣全体が光を放つ

「なんだ!?」
俺は…意識を手放した

頭の中に声が響いて来る



『お前は何を欲する?』


『欲する物を強く望め』

頭の中に声が響いている

俺の欲しいもの

奴らを倒す力?

誰かを守る力?

奴らを欺く心?

真実を見抜く目?


違う











俺が欲しいのは






「全ての可能性だ」


『ならば掴みとってみせよ』

回りが急に明るくなる

その光によってできた影が
伸びて行く

「自分の力は自分からってか?」

影は立体になり、構える

「上等だ!やってやるぜ!」

………………………………………………

「くっ…。」
さっきから逃戦一方だ

『それで良いのか?』

頭の中にまた声が響く

そんな事言われても…
俺には何も出来ない。
『甘ったれるな!
何が守るだ!何が戦うだ!
今のお前は逃げてるだけだ』

『勇気を出すんだ。全てを受け入れろ』

そうか、
「おまえは俺なのか…。もう逃げないよ、自分を受け入れよう」

そう言うと、影は攻撃の手を止めた

影は赤い光となり、光輝いている

「何だ?」
白を赤い光が包み込む


『我が名は紅

そなたの力なり

赤い光は右腕に吸い込まれていった』

………………
目を覚ますと
上に、腕組みしながら俺を見つめている
世界がいた

「成功のようだな。
今は休め。少ししたら修行だ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ