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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 ようやく特定する。足音を忍ばせ、教室のドアに近づいた。

 大山が周囲に気を配らせた限りでは、人の気配はなかった。宵は大山に気づいてはいないようだったし、おそらくあの教室から逃げてもいないだろう。

 ――まだ、教室の中にいるはずだ。

 ドアの影に身を屈め、廊下側の窓から教室内を覗いた。

 そこにはやはり、メイドがいる。

 窓際に立ち、大山に背を向ける格好で立っていた。

 肩より長い茶髪。頭の上には白いひらひらがついたカチューシャをしている。

 黒と白で彩られたメイド服にはフリルが多くあしらえてあった。腰の辺りで結ばれたエプロンには、リボンもついている。

 スカートは短く、黒いニーハイソックスを履いているため、白い太ももが露わになっていた。


(絶対領域……っ)


 大山はその足に一瞬見とれそうになるも、あれがクラスメイトの男であると思い出し、慌ててぶんぶんと首を振った。

 そうして手にしていた手錠を一度開いて使い方を確認し、勢いよくドアを開けた。


「宵! 温泉旅行は俺が貰う! 観念しておとなしく捕まれ!」

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