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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 ――同日、二時すぎ。

 宵は旧校舎にいた。

 後半のゲームは一時から始まる。鬼としての参加者は十名で、また前半と同じように三分おきのスタートになるだろう。

 腕時計で時間を確認すると、二時十五分をまわったところだった。


「後半はどうすっかなー」


 教室の窓際で壁に体を預けながら、ため息混じりにそっとつぶやいてみる。

 左手には、前半戦の参加者から奪った手錠が一つ握られていた。

 前半は、旧校舎で大山を待ち伏せし、わざと姿を見せて大山を教室におびきだした。強行手段で手錠を奪ったから武器を手にすることができたし、それを使って鬼を捕まえ、名札を奪って失格にすることができたけれど、この策はもうバレてしまっているだろうし、後半は使えない可能性が高い。


(色仕掛けもさすがに通用しなさそうだし)


 と言っても、にっこりと微笑んで相手が怯んだ隙に手錠を嵌めてしまうという、単純明快大ざっぱな策ではあったけれど。

 やはりここは反撃にはでずおとなしく隠れて、三時間やり過ごす方が得策だろうかと思う。

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