テキストサイズ

Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 逃亡範囲は決まっていないため、こっそり学校を抜け出し人が来ないところまで逃げるという手もあるにはあるが、町内をメイド服で走りまわる度胸は宵にはなかった。


(つか無理)


 そんな羞恥プレイをするくらいなら、おとなしく自害する道を選びたい。

 校内に、あるいは敷地内に、身を潜められる場所というのはあまりない。

 ましてや今日は文化祭。いつもの何倍も人がいるというのに。メイドが歩いていたら、一発で注目の的だ。

 それでも前半は、旧校舎からスタートし、大山から手錠を奪った後他の鬼をおびき出すため多少の移動はしたが、後半は旧校舎に残ろうと決めていた。

 一応の武器は奪った。もし誰かに見つかったら、その時は返り討ちにすればいい。

 後半戦の策を、ざっとではあるが決めた時だった。

 ふいに、窓の下に人影を見つけた。


(早速来やがって)


 やはり旧校舎は、逃げ場所として目星をつけられやすいらしい。

 宵は壁に身を潜めながら、窓の下を窺う。窓にはカーテンはなく、下の様子がよく見えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ