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第16章 妄信的なナニカ

 昨日、映像を見たときも確かに感じたことだが、これまで悠理にそんな振る舞いは一切なかった。

 便利屋の商売上、そういう方面の道具や薬の管理を任されることはあったものの、悠理は蔑みの目でしかそういうものを見ていなかったはずだ。

 やっと年相応の興味を持ち始めたのかもしれないと言えばそれまでだが、千尋にとって重要なのはその発端がなんなのかということだった。

 悠理の携帯やパソコンの履歴は毎日くまなくチェックしているため、ネットで興味を持ったという可能性はありえない。

 ――友達に何か吹き込まれたのか?

 女子同士で猥談というものをするのかどうかは知らないが、そういうものに流れで参加してしまったのかもしれない。

 それなら積極的に肯定できるものではないが、まだ千尋の許容範囲内だ。

 しかし、最悪の予想もついていないわけではなかった。

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