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狼と白頭巾ちゃん

第2章 優しい声

ライラは、あれから何度も小さな溜め息をついていた。

彼女の向かう先には、祖母の家がある。

向かいながら、足がどんどん重くなり、歩く速さが遅くなるのを彼女は感じていた。

「ハァ…」

ライラが何度目かの溜め息をついた時だった。

「ねえ、そこのお嬢〜さんっ」

突然、男の声がした。

「だっ、誰っ…⁈」

キョロキョロと辺りを見回すが、誰の姿も見えない。

ライラは姿無き声に怯え、エプロンドレスに隠された小さな膨らみの前で、その身を守るように両腕を合わせた。

すると、小道の脇の木陰から、また声がした。

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