【可愛い】の魔法
第2章 家族・shiori
ま、それは置いといて。
久々に平日のお休みだったのに、結局いつも通りの家事をちょっとゆっくりこなすという結果に終わった。
それでも変に間が空くから、妙な倦怠感と懐かしさが蘇って、私の頭は・・・てか心がモヤモヤした。
ゆっくりとソファーに落ち着けていた腰をあげて、申し訳程度の化粧をすると、ちょっとだけヒールのあるサンダルを履いて家を出た。
「いってきます」
誰もいない家に挨拶をするのは、専業主婦をしてた時の癖。
子供たちを保育園に預けられるようになってからは、子供達と言ってる。
子供達と、初めて「いってきます」をした時に、『あっ・・・いいな』って感動して、同時に自分が寂しかったんだってことに気付いた。
パタンと扉を閉じて鍵を掛けると、マンションの駐車場へサンダルのヒールを響かせながら、急いだ。