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【可愛い】の魔法

第2章 家族・shiori



「包丁持ってんだから気をつけろよ?」


呑気な旦那様は、家族の食事を作る妻の、不謹慎な脳内を知らない。


リビングで仲良く遊ぶ子供たちの楽しそうな声に、罪悪感を感じつつも、後輩のセリフに胸の奥がピクンと震える感覚もまだ新鮮で・・・


私は、久しぶりのトキメキを実感していた。



「ごはんできたよ♪」


自分でもわかるくらいの弾む声に、『私も単純だなぁ』って呆れる。


だけど女は恐いの。


そんな時ほど上手に嘘をつけるんだから。

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