【可愛い】の魔法
第1章 三年目・miyu
背の高い秋の唇が、あたしのこめかみに当たる。
チュッと軽い音を立てて、頭と腰を抱えられるように抱き直された。
「ごめん、調子にのった。」
「わざとなのはわかってたよ」
「俺もガキだよなぁ?」
「いいの。そうでなきゃ、追いつけないじゃない」
「追いつく?」
秋は、いつの間にか両手をあたしの腰のあたりで組んで、至近距離で見つめ合う格好になっていた。
ふふっと笑うと、秋の表情が疑問の色に変わる。
「秋が心配してくれるような、オトナの女にならなきゃ・・・って」
「そう?でもダメ」
照れながらも言ったのに、秋に即答でダメ出し。
「なんで?」
秋の腰にも同じように、両手を伸ばしながら聞く。