【可愛い】の魔法
第1章 三年目・miyu
「えっ?」
「俺は、もう充分心配してるよ」
呆気に取られてるあたしの目を見ながら、秋が続ける。
「そもそも、心配してないって思うのが間違い。
みゅうは、俺の彼女だよ?可愛くないわけないんだから、逆に、もっと男を警戒して欲しいくらい。
笑顔だって、涙だって俺のものなんだから。
一緒に過ごす時間が少なくなったぶん、大事にしなきゃいけないのに、ヤキモチを焼かせることで、みゅうの愛を確認するとか・・・マジでガキだな。」
困ったような顔で話してくれたのは、秋の正直な気持ちだった。
あたし、やっぱり秋が好き・・・
愛しさが身体の芯から溢れる感覚に、ふわふわと心が踊った。
「秋・・・もっかい言って」
「男を警戒しろ?」
「その前」
「可愛い・・・可愛いよ、深優」