
パプリカより甘いカレ。
第1章 気付いたの。
私と美憂は同じ組で
1年B組だった。
「担任誰だろうね」
「私は期待しなあい」
「はは、玲衣はいつもそうだよね」
ガラガラ。
「はい、席に着いて」
美憂が私にアイコンタクトで「どうよ?」と言ってきた。
首を傾げたが、この時の私は気づいてなかったけど、本当はこの時に気になっていたのかもしれない。
「今日から1Bの担任の長谷部大翔です。なかなか最初は絡みづらいかもしれないけど宜しくな」
『宜しくお願いしまーす』
皆に従って私も言う。
そして、先生に質問しようじゃないかとある生徒が言い出した。
うわあ…してみようかな。
そう思っているうちに
一人の生徒が
「先生!彼女いるんですかー?」
ドクン、ドクン。
私の心臓は何故かドキドキしていた。
長谷部先生は眼鏡をかけていて、黒髪の短髪で知的な顔をしているため、いるようには見えなかった。
「38番…町田さんにはどう見える?」
「んー、いそうかなあって」
いるのか。いるのか。
いたら…ちょっと嫌かも。
「それは町田さんが一年間勉強したら教えるよ」
「えー、つまんないの」
教室内は笑いで溢れた。
「俺で良ければ他に質問答えるけど…」
バチ。
あ…今先生と目が合った?
私は教卓から遠いため、目が合ったか分からなかったが、先生の目に吸い込まれそうになった。
「あ、じゃあ今目が合ったから葉崎さん。なんかある?」
ええ?!私なの?!
美憂のにやけて見てくる視線が痛い。
しかも、長谷部先生ずっと見てくるから、ずらせないよ!
ドクン、ドクン。
「あ、えと…じゃあ教科担当は何ですか?」
だ、大丈夫かな…
真面目すぎた?
