
パプリカより甘いカレ。
第1章 気付いたの。
「聞いてほしかったんだよ、ありがとう。俺は数学担当」
「そうなんですか…」
ビックリした。
「ありがとう」と行ったとき、先生の目は驚くほど優しかったから。
他にも先生は質問されていたが、沢山ありすぎて覚えていない。
*昼休み*
「目が合った…ねえ」
「だから、たまたまだって!」
お弁当を食べながらニヤニヤしてくる。私はおにぎりだけど。
「いいんじゃない?悪い人では無さそうだし」
「いやいや、禁断の愛やんか!」
「恋愛は自由よ?」
「有り得ないから!あ、ちょっとジュース買ってくるね」
自動販売機は二階の職員室の隣。
ちょっと長谷部先生に会えるかなとか期待してみる。が、現実がそう上手くいかないことは知っている。
「何にしようかな…」
「決まらないなら、先いいか?」
「あ、ごめんなさい…って、長谷部先生!」
いきなり来ないでよ!
身長高いなあ。
180センチはあるだろう。
「覚えてくれたのか」
「そ、そりゃあ当てられたら」
「ハハッ、葉崎だっけか」
先生の笑った顔今日で二回目!
しかも、初日でこんなにって…
ダメダメ!禁断になっちゃうやんか!!
「はい…」
でも、名字覚えられてるのは嬉しい。
「下の名前は?」
「玲衣です」
「玲衣…いい名前だな」
ドクン、ドクン。
なんでだろう…
先生といると
胸がキュってなるよ。
名前で呼ばれるとか…
しかも声低くてカッコいいし。
「長谷部先生は本当は彼女いるんじゃないですか?」
「しつけえなあ、葉崎は勉強に集中しろー」
「数学嫌いなので無理ですね…」
