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2つのグラス

第5章 青いグラス


残された女の人は
残りのアイスコーヒー
を一気に飲み

一瞬哀しげな顔を
見せたかと思うと

ヒールの音を
甲高く立てながら
レジへと歩いた


「おぉ…怖っ。
修羅場ー。すごいね…」

由香が1人でつぶやく


奈央はぼーっと出口
を眺めた


…不倫かぁ。


「…央っ、奈央ってば!」

由香の声で我に返った


「…何?」


「何?じゃないよ。
どーしたの?」


「ん?あー、
何か大変そうだなって」

「そりゃそうよ
不倫は…ねぇ。
そういえば
奈央はどうなの?」


飲もうとした水を
吹き出しそうに
なりながら
奈央は答えた

「はっ!?
何のこと??」


「ん?
だ・ん・な・様♪」


…あーそういうことか
そりゃそうだよね。


「可もなく
不可もなくです。
ご心配なく!」


奈央はいつも以上に
にっこり微笑んだ

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