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feeling

第1章 序章

「またひとり、消えていくー。」

建物の上に座っていた椎名奏は街を歩く人々を眺めながら呟いた。
彼は、物心ついた頃から人間の感情が"視える"。そして消滅していく人間のことを"感じる"ことができる。

「かなちゃん?またここにいるの?みんなのお昼ご飯つくって~」

屋上への入り口から女の子の声が聞こえた。
振り向いた奏の顔は容顔美麗。肩まで伸びた少しうねっている髪は、普段は後ろで束ねている。身長は170cm前後だろうか。細身長身である。
奏は幼い頃、『視える』ことで忌み嫌われ、この児童養護施設にやってきた。そして今は子供達の世話をしている。

奏は立ち上がると建物の中、児童養護施設へとはいっていった。

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