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夜になり、帰ってきたサムは、動ける倫を見ると言った。「明日には起きて店番をやれよ。」「わかってる。」倫は答えた。サムは倫の作ったチキンソテーを旨そうに食べていた。「本当に料理が上手いな。コックでもいけるんじゃないか？」「もぐりで働ける食べ物屋なんてそうそうない。」「特に日本人じゃな。」「真面目に帰るんだ。サム、邪魔しないでくれ。」倫は言った。昨晩の事だ。
アハハハハハハ！サムは笑った。「主人に向かって懇願か？お祈りでもするんだな。俺のマリアに！俺がいつ、狂うともわからないのが怖いならな！」「サム…」倫は5LDKの唯一、誰も住んでない部屋を指差して言った。
「あの部屋を俺にくれないか？君と一緒は耐えられない。」すると即座にサムは言った。「あの部屋は駄目だ！叔父の秘密の宝物が詰まった部屋だ。ワイフに秘密のな！」倫はそれを聞いて大体何が秘密の品なのか理解した。おおよそSM関係の道具が詰まってるに決まっていると。それをサムに言うと「よくわかったな！倫！俺が鍵を預かってる。興味があれば見せてやるぞ。」とサムは大声で言った。倫はぞっとして首を横に振った。
このオックスフォードにある家はもともとサムの叔父の家だったそうだ。今は叔父夫婦はコツウォルズで田舎暮らしを満喫していると言っていた。