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第7章 狂い出す計算式

配られたカードで各プレイヤーたちの二人組は一喜一憂の声をあげる。


「ああ!だから言わないこっちゃない!」


一際大きな声をあげたのは桂であった。


重森が引いたカードは8と6。

足して14。


8までの数字を引けば21を越えるバーストは避けられるが一番多い数字は10だ。


リスクはあるがセオリーなら14はヒットする数字だ。


重森のターンが回ってくる。


「スタンド」


重森は短く、しかしはっきりと答える。


スタンド?!

ほのかは驚いた。


いくら10がもっとも多いとはいえ8までなら引ける可能性も高い。


ましてや100も賭けた勝負でいきなり、それも淀みなくスタンドを告げる重森にほのかはなにか恐れを感じる。

「い、いいのかよ……」

桂は目を丸くして額に汗をびっしりとかいている。

しかし10をひいてバーストする可能性も高いため、桂も瞬時に判断が出来ない様子であった。


重森の次はほのかのターン。


「ス、スタンド」


19なら問題ないとは思いながらも、昌幸は声を震わせながらスタンドを告げる。

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