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第7章 狂い出す計算式

『自由です』とかお上品に話すが殺しあえと言ってるのと同じだ、と竜崎は心の中で毒づく。


「敵陣の旗を抜いて、その旗を自軍の陣地まで持ち帰ったチームの勝ちとなります。
逆に言えば旗を抜かれても奪い返し、差し直せば負けになりません」


説明を聞くプレイヤーは静かに説明に耳を傾けている。


「勝者チームには一人づつ五万円が支給され、旗を抜いたものには九十五万円、旗を持ち帰ったものには二百万円支給されます」

「っっ!!」

その説明に竜崎は驚いた。


旗を抜くという恐らくは一番危険な行為より、旗を持ち帰ったものが倍以上もの報酬が得られるシステムに。


考えるのが嫌いな竜崎にだってその意図はわかる。


このゲームは旗を奪った時点で奪い返そうとする敵チームはもちろんのこと、同じチームの仲間にまで狙われることになる。

つまりは旗を抜いた時点で全員から狙われるシステムだということを。

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