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第8章 他人の痛み、自分の痛み

竜崎はもちろんこのゲームを真面目にやるつもりはない。

それが佐橋に完全に読まれていたようなのが腹立たしかったが、だからといって真面目にチームの一員として働くつもりは更々なかった。

佐橋の予想通り一司は二時間適当に身を隠し、やり過ごすつもりだった。

武器がどこかに隠されているということだったが、そう簡単には手に入らないだろうから一司は適当に太く長い枝を拾った。

こんなものでもリーチが長い分、ナイフくらいには通用するだろうと竜崎は考えた。

地図を頼りに敵陣地と自軍陣地の間で一番人が来なそうな端を目指し歩く。

気味が悪いほど静かな夜の森。

パキパキッ……

ガサガサッ……

自分が枝を踏んだり葉っぱを掻き分けて起きる音が気になって仕方がない。


あまり音をたてると敵に居場所を知らせるようなものだ。


竜崎はなるべく静かに進むため、それらの音を立てないように用心深く進む。

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