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第10章 悪党の饗宴

「土曜開催に来られるとは珍しいですね、壬生様」

恭しくホールの支配人の相良が頭を下げ、ボーイがシャンパングラスを壬生に差し出す。

「すごいのが現れたと噂を聞いてね。というか相良支配人も人が悪い。
見所のある新人が入ったら教えてくれる約束じゃないですか」

壬生は少し拗ねたような笑い顔を作る。

「いや、まだ壬生様にお耳打ちするほどの男かは判断がつきかねまして」

「デビュー戦で勝つ人間ですら稀なのに『狩る側』の人間を二人も倒したんだ。
しかも一人はあの『酒守はな』だ。
これが逸材でなくて何が逸材だ。相良支配人の薦めてくれた木村だかハリマオだかいう小悪党なんかよりよっぽど大物になるんじゃないかな?」


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