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第12章 『知らなくてもよかったこと』を知る日

「大丈夫だよ。俺は死にはしない。勝てそうもないゲームでは無理はしないさ」

下手な同情をしては小石川を傷つけることとなる。


二人はかける言葉がなく、ただ沈黙するだけであった。



小石川の家を出たあとも竜崎とほのかはほとんど何も会話せずに帰宅した。


竜崎は小さい頃から暴れていて誰にも頼らずに戦ってきた。


そして小石川は貧しい中でもプライドを持ち、幼い兄弟を守りながら生きてきた。


自分はどうだろう?

ほのかは自らを省みる。

ただ親の庇護のもとぬくぬくと暮らし、日常がつまらないだのと生意気なことを言い……


親友たちがとても遠い存在に思える。

自分がとても惨めで弱い存在に感じ、それがまた甘えなのだとより嫌悪感に包まれた。

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