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逢いたくて、素直になれなくて

第2章  衝撃的な出逢い

急いで教室から出た私は、途中


「あれ高堂沙羅じゃね?!」「ほんとだぁ」「今日もクールだな」


など廊下をすれ違う生徒達に囁かれながら下駄箱へと急いだ


私はクラス、いや学校で浮いた存在になっている。


徹平や桃、夢花や鏡夜もまぁ一目置かれた存在なんだけど…


周りは私を見て綺麗だの可愛いだの言う――


けどそれって外見で人を見てるだけでしょ?


だれも私の中身を見てないじゃん


その証拠に、凄くお金持ちで婚約者までいるお嬢様で、隠れてモデルの仕事もしてるって事にいつの間にか私はなっていた。


噂の一人歩きもいいとこだな。


桃達は私の事冷めてる奴だって言うけど、あんたらが言えたことじゃないと思う。


みんな自分が学校に馴染めてるとは思っていないし、そんな現状に冷めてる気持ちはあるみたい。


それ故にお互い理解しあえる仲だから5人とも居心地が良くて一緒にいるのだと思う。


友達、少ないかな。せめてクラスの人とは仲良くしたいんだけどな…


本当の私は、ただの甘えたで小心者の弱虫――



それを隠したいから強がっちゃって素直になれないんだよね…


―‐プッププッ―ププッ


横断歩道の信号が青になった音ではっと意識が戻った



私はよくぼーっと物思いにふける。周りが見えなくなる位深く。


大抵一人で考え事や悩み事をしてるんだけど。


いやー悪い癖が出ちゃったな


てかもうこんな時間?!


急がなければっ!



近くの公園に向かい、公園の遊歩道を少しそれた道を足早に歩いた


普段は絶対通らない道だけどここ近道だし、ちょっと草むらだけど我慢我慢。


そう言えばもう夕方じゃん!


秋は日暮れが早くなってくるな~


「おいしょ、っと」


草むらを抜けて車一台通れる位の狭い裏道に出た。


「…あれ?何か違う」


前に一度だけ近道を使ったが、出た所は私の全く知らない道だった


道、間違えたんだね…ハハ


馬鹿な自分に自棄気味な笑いが出てしまう


はぁ…goodbye、エロレンジャー


どうでもよくなった私は、出た道をトボトボと歩いた


ま、今日は遊ぶ気分じゃなかっただけだからエロレンジャーは別にいいんだけどね…へっ!












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