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第10章 裏と表(律視点)

そう言った意味は、奴等の監視枠に俺が入っているからだ。いつどこで、何を見られ聞かれているか分からないからだった。

だからだ、慎重に動かなければ足を掬われかねない。悪意しか感じないゲームに、俺は参加する事になった。

それから、中垣に睦月の荷物を預けた。

が、この状況はなんだ?

イライラする俺の両端にピッタリとくっつく女達。先程の件といい、今の状況から考えると悪意を感じる。

もっとも俺は他人が嫌いな人間であり、触られただけでキレるほどの問題児だ。なのに、こんな訳の分からん女達が横に居るだけで虫酸が走る。

そんな女の一人が、不意に腕に触れた手に俺は我慢の限界だった。

――――触るなっ!!

素早く振り上げた拳が女に向いていた。
瞬間、睦月が飛び出してきたのが見えた

止められなくて
俺は……

――――バシッ!!

寸前で俺の拳を止めたのは、同じ背丈のメガネの男だった。冷たくメガネの置くの瞳が鋭く睨みつつ、その唇が動いた。

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