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第11章 悪意の塊

更に続く会話……。

「で、名取何だが……
あんまり、良い奴じゃね―ぞ」

中垣の声にカーテンの向こうで、緊迫した空気が漂った。何だが手汗が酷くなる私は、息を止め聴いていた。

「なんでも、中二の時に暴力沙汰を起こしたてるぽいんだよ……
理由は分かってなんだが、四、五人病院送りにしたっつう……ことだ」

名取君が!?
私は酷く動揺していた。信じがたい話しにドクドクと嫌な予感を感じる心臓。

ゾクッと背筋が震えてしまい、思い出す名取の黒く歪んだ表情だった。

中垣と長谷川の話しは更に続いていたが、私は名取の話しだけが頭の中をグルグルと回っていた。

暴力沙汰?
どうして、何で……

そんな事を考えていると、中垣の心配そうな声が聴いていた。

「森永にも、やっぱ話すべきじゃね―か?」

「いや、俺達だけで充分だ。それに、言ったら睦月が余計に心配するだろう」

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