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第11章 悪意の塊

優しい声音、気遣いに少しだけ震えが止まる。でも、知ってしまった。

中垣と長谷川の話を
だから……

私はゆっくりと、ベットから起き上がりカーテンに手を伸ばした。

そのときだ。

ガラッと部屋の扉が開く音に
私はカーテンを掴む手を止めていた。

「あれ、あれ? 中垣と長谷川じゃん。なにしてんの睦月ちゃん起きたの?」

その声に私は身体が震えた
そう名取だ。

空気が一気に冷たく変わるのが分かった。苛立ちの籠った律の声が聴こえた

「まだだ、何しに来た?」

「何しにって、倒れたって聞いたから心配して見に来ただけじゃん。他に何かあるわけ?」

「俺は嫉妬深い、自分のモノに手を出す奴には容赦しない」

「ふふ、なにそれ? 僕には分かんないんだけど」

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