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第11章 悪意の塊

そんな事があって結局寝たフリをしてしまった私は、夜になり更に不安になっていた。

今夜は肝試しが待っていたからだ。

班で二人一組になり、決められたルートを通り目的地の場所で紙を一枚貰い戻って来るだけの簡単なものだ。

でも、運が悪い事に一番当たりたくない相手と私はペアーになってしまった。

1 中垣、桜花
2 金剛、神城
3 長谷川、野原
4 名取、森永
とくじ引きで決まった。

何と運がないのか、しかも野原と長谷川が同じペアーなのも気になるところだった。

不意に肩をポンっと叩かれ、私は振り返っていた。そこに居たのは、中垣で見るからに不安げな表情を浮かべて言った。

「体調悪かったら、無理に参加する事ないからな」

私が何も知らないと思って、言ってくれていることが分かる。多分、あんな話を知ってから名取を警戒しているのだろう。

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