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第11章 悪意の塊

とは言ったものの
いざ二人きりになると
弱気になってしまいそうで怖い。

暗い道を、懐中電灯の明かりだけが道を照らす。私の前を歩く名取の背中だけを、ただ見つめていた。

言いたいこと、知りたいこと
つい口が動いた。

「どうして……」

投げ掛けた疑問に、彼の歩みが止まった。背中だけを見せながら声が届く

「はっきり言うと君達が嫌いだからかな」

「私達? 何か嫌われるような事をしましたか?」

「見てるだけでイライラするんだよ!!」

声を張上げ振り返った名取に、私はビクッと肩を震わせていた。でも、暗がりで微かに見える顔は何処か悲しげだった

「さっさと、長谷川から離れればいいのに」

ボソリっと呟いた名取
その瞬間、引っ張られた手だった。
ルートとは違う森の中に引っ張られる

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