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オレンジ

第11章 悪意の塊

何でどうして、そう思うと悲しくて
苦しくて胸が痛くて

頬を伝う雫

「はい……」

そう言うしかなかった。
『良い子だね』っと、言われ
頬に流れた涙を舌で舐める名取に身体がカタカタと震えた。

もう、戻れない
秘密が私を苦しめる
見えない鎖が私を縛り付けていた。

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