テキストサイズ

オレンジ

第11章 悪意の塊

「駒って……何なんですか……?」

「駒は駒だよ、ゲームのね」

名取がニヤリと表情だけで笑った瞬間に、私は目を見開いた。

嫌な感触が唇にあり、咄嗟に抵抗した。強く胸を押すものの、力では勝ずに無理矢理両手を片手でクロスするように頭の上で拘束されていた。 ただ、悲しくて涙が瞳から溢れた。

パシャッ

一度光ったフラッシュのような光り
何があったのか分からない私から名取は離れた。

そして、いつの間にか手に持っていたデジカメを口元に近付け言った

「流石に二度目は許さないだろうなぁ、コレ長谷川に見せてもいい?」

「な、何で……」

動揺する私は、さっきの光りはカメラのフラッシュだと気付いた。それから、それを律に見せると言う名取が凄く怖い。

「や、やめてっ!」

そう言い名取のデジカメに手を伸ばす。でも、その手を反対に掴まれ
耳元で囁く

「じゃあ、分かるよね。見せない代わりに君は僕の物になるんだよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ