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第12章 絡まる鎖

「うーん、脅しといて聞いてきますか……」

そう言って私は両手を構えつつ

「――えいっ!!」

ポスッと名取の肩にパンチしてみる。

「何やってんの?」

不可解な表情で私を見ている名取に

「私が強い事を主張してみました!」

「え?」

「ですので、名取君なんか恐くはないですし。隙があればデジカメを奪う手筈です!」

自信満々に言うと
プッと吹き出し笑う名取

「いやいや、手筈ですって言っちゃダメでしょう。フッははっ」

「そうなのですか? でも、正々堂々が私なりのやり方ですので覚悟しといて下さい!」

「分かった、覚えとくよ」

そう言うと、名取はジャージのポケットから紙切れを取り出していた。それを横から覗き込む私に名取は言った

「僕達が居る場所がこの位置だね」

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