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「いや、ちょっとヘマしちまってしてさぁ」

「な、何をしたんですか？」

私が聞くと、中垣はキョロキョロと辺りを確認して立ち上がった。

「ちょい、ヤバイ話しになっから、こっち来い！」

そう言って、私の腕を掴み近くの空き教室に
入った。ガチャリと素早く鍵を閉めた中垣は、背中を扉に預けて座り込んだ。

心配する私は、ソッと殴られただろう頬を触る。

「大丈夫ですか…」

瞬時に、痛みに歪む顔から、手を離すが中垣は私を見たまま話し出した。

「やっぱ、今からでも長谷川から離れろ…」

「どうして…
もしかして、中垣君を…っ」

言葉を言う前に、私の口を手で押さえた。

「勘違いすんなよ、俺を殴った奴は別の奴だ…
長谷川より、質の悪い奴等だ…」

そう言って手を離す。真剣な目付きはまだ私を見たままで、私は生唾を呑み込んだ。

「あの、あのですね…
どういうことなのか、話しては頂けませんか？」