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第3章 影の存在と私達

彼の言ってる意味は分かる、けど私にだって譲れない物がある。それを手放して、後悔だけはしたくない。

だから

「律は大切な友達です! 何が合っても、私は離れたくありません!」

強い意思で中垣に言うと、それを分かっていたかのように彼は言った。

「正直なところ、反対したいところだがお前一度決めたら譲らないからな…
まぁ、女王が自ら手出したりしないだろうし、やれるとこまでやってみろよ」

「はい!」

明るく返事をする。そんな私を見ながら、中垣は苦悩に満ちた表情を見せた。

そんな彼にはまだ聞きたい事があり、私は口を開く。

「それで、中垣君はどうして殴られたんですか?」

「あ――、言ってなかったけどな…
校内の噂を調べるのが、俺の趣味だ! そんで、ヘマしちまって…」

苦笑いの中垣。

要するに、こそこそと調べていたところを、見付かって殴られたと…

自業自得だとは思いましたが、私の事も考えていてくれた事には素直に感謝します。

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