テキストサイズ

オレンジ

第3章 影の存在と私達

頭を軽く下げ、彼を見ながら

「ありがとうございます、ですが危ない事はやめて下さい…」

と、言うと

「バ―カ、俺の心配よりな、自分の心配しとけよなぁ!」

笑いながら言われた。

それから、暫く話をしていた私のポケットが震えていた。それは携帯のバイブで、ポケットから取り出す

着信

長谷川律と画面に見え私は、急ぎ出ていた。

「――はいっ!」

《遅い! てか、お前どこいんの?》
声は明らかに機嫌が悪く、私は焦りながら隣にいた中垣に小声で聞いた。

「えっと、中垣君…
此処って何処の教室ですか?」

「は? 俺も二階校舎って事しか……
てっ!? 誰だ、誰と話してんだ!
長谷川じゃね―よな…?」

青ざめ焦り出す中垣に、私は苦笑い浮かべて
電話を耳に当て取り敢えず話す。

「二階校舎としか…
分からないです…」

《ふ―ん、誰か居るだろ、そいつに代われ》

「え……?」

一瞬戸惑ったが、“代われ”と再度言われた私は青ざめ固まる中垣に電話を渡した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ