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オレンジ

第4章 固い壁

次の日から、長谷川は学校に来なくなった。

会えない寂しさが、私の心を曇らせる。

いらなくなった御弁当……

私は一人で、あの木を見に行った。

巣には相変わらず、何の変化もなく

ただ、そこにあるだけ

まるで私のようで苦しくなった。

揺れた瞳から、溢れた雫……

止まらない涙にその場に座り込んだ。ポツポツと降りだした雨と一緒に、私の思いも願いも全て消えればいいのに

“ごめんなさい”とそれだけしか、言えない私を嫌わないで

だが、私を更に惑わす出来事が待っていた。

何日か立ち、嫌がらせに慣れ始めた頃に

それは起こった。

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