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第4章 固い壁

まず、二人は先ほど閉まっていた正面玄関に戻っていた。そこで、中垣は森永の下駄箱を見ながら肩を竦めた

「ああ、やっぱりだ。まだ靴があるって事はどっかに居るって事だよな……」

「だろうな」

そう返し長谷川は校内に視線を向けた。何処に居るかは分からないが、探すしかない。

さっと、中垣の方に向き直った長谷川は言った。

「手分けして探した方がよさそうだな」

「そうだな、なんかあったら連絡すっから」

そう言うと、二人は別々の方向に走り出した。中垣は教室側の校舎に、長谷川は別棟の校舎の方へと

探しはじめて、時間だけが過ぎていくが森永は見付からない。

「ちっ、ここでもない!」

苛立つ気持ちと焦りが交わり、気分が悪くなる。

暫くして走る長谷川の携帯が震えた。すぐに出ると、中垣が言った。

《おい、森永の鞄と携帯があったぞっ!》

「彼奴はっ!」

苛立ち怒鳴ると、中垣の声は小さくなった。

《すまん、森永はまだだ……》

聞きすぐに切った。

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