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第7章 蠢く策略

暫くして全員揃った所で、班後とに出発していた。かなり機嫌が悪い長谷川の周りには桜花、神城がベッタリと隣を挟んでいて。

その様子に私と中垣はハラハラと不安を感じていた

「おい、おい……
あれ大丈夫なのかよ」

こっそり、耳打ちしてきた中垣

「多分、女の子相手に手を上げないと思いますが……結構我慢されているようで」

私は返しつつ、中垣が持っていた鞄に目を止めた

「それはそうと、中垣君が何故、私の鞄を?」

「ああ……
長谷川に渡されて、持ってろってさ」

「それはすみません!!
私の荷物なので、持ちますよ」

そう言って鞄に手を伸ばすが
サッと鞄を中垣は抱えて

「いや、俺が持つ。お前に返したら長谷川に後で何言われるか、わかんね―からな……」

ビクビクしながら、鞄を持つ中垣が凄く不憫に思えた。

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