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オレンジ

第7章 蠢く策略

コホンッと私は咳払いをし
話を戻す

「やっぱり、助けてあげた方が良いですかね?」

「だな……
長谷川の奴がキレたら、手に負えねーし
第一!! 俺の命がヤバイ気がすんだ……」

肩を落とす中垣に、愛想笑いを浮かべる。確かにそろそろ、限界かも知れない。助け船になるかは分からないけど、私は長谷川の側に走った。

声を掛けようとした私より少し早く
桜花が長谷川の腕に軽く触れた瞬間だった。

ダメっ!!

そう思ったのは、律の表情がガラリと変わり怒りに満ちていたからだ。スローに見えた光景を前に、私は降り上がった拳に飛び込んでいた。

――――――バシッ!

鈍い音が、森の中で響き……

女の子達の悲鳴―――

痛くない身体に、目を開けると
大きな背中が見えた。

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