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オレンジ

第7章 蠢く策略

その人は金剛智則だった。
律の拳を止めてくれていて

「女性に手を上げるのは、どうかと思いますよ」

そう言って、同じ背丈で睨み付ける。長谷川はイライラした様子を見せながら、舌打ちしていた。

何とか大丈夫だったみたいで、ホッと安心していると

急に金剛が振り返った

「貴女は馬鹿なんですか?」

へ?

「飛び込んで、何とかなるとでも思っていたんですか? だとしたら、ほんとの馬鹿なんですね」

そう言われた。眼鏡越しに見える冷たい目に、ゾッとしつつ
私はただ言われるだけで
言い返せなかった。

金剛智則
黒髪はやや短く、眼鏡を掛けていて
ミステリアスな雰囲気を漂わせている。

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