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甘えん坊

第6章 それぞれの思い

side 海里

おかしい…。

いつもなら眠くてべったりしてくる慎哉が、今日は手すら握ってこない…。

いや、断じて寂しいワケじゃないけど!!でも…

「慎哉?」

何か珍しく眉間にしわ寄せてる…。

「…」

「…具合でも悪いか?」

「…」

「…慎哉!!」

「…え?」

「さっきから呼んでんのに何だよー。どうしたんだよ。」

「あ、ごめん。」

顔を上げた慎哉はとりあえずいつも通りだったので安心した。

「何考えてたんだ?」

訊ねると、慎哉は暫く考え込んだ。

「…海里の周りの環境について。」

そう答えると、慎哉は何もなかったかの様に歩き出した。


「…は?」

俺の周りの環境…?

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