テキストサイズ

甘えん坊

第8章 距離

そう言って、慎哉は俺と目も合わせずに悟郎の部屋から出て行った。


「…大丈夫か、アイツ。具合でも悪くなったのかな…」

心配で、悟郎に尋ねた。

「んー?いや、恥ずかしかっただけじゃないの?」

「は?悟郎と抱き合ってたところ見られたのが?」

そりゃ、ちょっとびっくりしたけど…恥ずかしがらなくても…

「いや、それだけじゃなくてさ、」

悟郎はニヤニヤしながら俺に何かを隠している。

「何だよ、気になるじゃねえか。教えろよー」

「…海里だって、恋人とイチャついてるとこ見られたらはずかしいだろー?」



…恋人?




誰と誰が……?



まさか…

「あ、あのね、海里。俺ね…」




待て。言うな。それ以上聞いたらきっと俺は――










「荒田くん…慎哉と付き合うことになったから。」




聞きたくない言葉を聞いてしまう――
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ