君がくれたぬくもり
第3章 秘密
沈黙を破ったのは岳だった。
「で…何でてめぇは死のうとしてた?」
「………っ!!」
あまりに唐突な質問でびっくりする。
陽菜は先程部屋で思っていたことを思い出した。
―――話したらダメ。
素性がバレれば
きっともうここには…
「言えよ。」
「………。」
睨みつける鋭い目。
陽菜は口を開かない。
「言えないことなのか?」
「……引かれるのが怖いの…」
震え出す手。
岳はその手に、そっと自分の手を重ねた。
岳の手はごつごつとしていて、冷たかった。
でも……なんか安心できたんだ。
この人なら…話してもいいんじゃないだろうか。
「……引かないでね。
無理かもだけど…………」
岳は黙って頷く。
陽菜は今日までの経緯を話しはじめた――……