君がくれたぬくもり
第3章 秘密
詐欺って…
そんな………
「俺はお前みたいな汚れた女は嫌いなんだよ。…悪いな。」
彼はそう言い残して
陽菜を置いて消えてった…
―――――――……
――――――……
「……引いた?」
「………。」
岳は何も言わなかった。
ただ…陽菜の手を握っていた。
やっぱり……
そうゆう反応なんだ?
「ごめんね…
こんな女…一緒にいたくないよね?」
「いや……」
岳は首を横に振る。
「嘘よ…!最初は同情して親しくしてくれても、結局誰も陽菜を最後まで愛してくれなかったわ!みんなこんな女、嫌いなのよぉ!」
岳の手を振り払い、うずくまる。
岳は陽菜の背中を撫でた。
「陽菜……俺はそんなこと気にしねぇよ。」
「同情はやめて……」
「同情じゃねぇ…」
ギュッときつく抱きしめられる身体…
「がく……」
「……今聞いたことは秘密にしといてやる。だからお前も誰にも言うなよ?」
「………うん」
陽菜がそう言うと、
岳は立ち上がり陽菜の頭を軽くポンポンと叩いて、「早く寝ろよ」とリビングを出て行った。