君がくれたぬくもり
第1章 出会い
部屋に入ると、彼は陽菜をベランダに連れてきた。
そして陽菜に言った。
「ここから飛び降りれば、確実に死ねる…」
「え!??……きゃあっ!?」
宙に浮く身体。
彼に抱き上げられたのだ。
「やめてよ……」
「……死にてぇんだろ?
今、殺してやる。」
嘘………
岳はベランダの柵の上に陽菜を乗せる。
ビルの最上階だけあり、下を見ると人間が米つぶのようだった。
落ちたら……
きっと即死。
「いやぁぁっ!!やだやだやだ!!!!死にたくないよぉぉぉ!!!!」
気づけば陽菜は岳の首にしがみついていた。
彼は陽菜を持ち上げ、ベッドに下ろす。
「うっ……うぅ……っ」
陽菜は膝を抱えて泣きじゃくっていた。
さっきまでは死ねたのに…
今は恐ろしくてできないの。
陽菜
弱い……。