君がくれたぬくもり
第1章 出会い
その時だった。
ぐいっと引っ張られる体。
陽菜はそのまま歩道橋のど真ん中に倒された。
「………!!?」
びっくりして目を開けると、知らない男に押し倒されていた。
いかにも“ヤンキー”とか“ヤクザ”みたいな男に。
「あ…あんた…誰…?」
「……岳」
「がく?…離してよ…!?」
そう言うと、岳という男は案外普通に解放してくれた。
一体何なのよ…!??
「…飛び下りるのか?」
「そうだったら悪い…?」
「…………」
「あっ、ちょっと何すんの!?」
彼は何も言わずに陽菜の手首を掴み、歩き出した。
…
たどり着いたのは繁華街内にあるラブホテルだった。
「どこ行くの……?」
「………」
何も言わない彼。
聞かなくてもわかる。
―――陽菜、犯されるんだ…
こんな知らない男に…。
エレベーターはどんどん上に上がる。
そして最上階で止まった。