君がくれたぬくもり
第5章 感じない
翌日
陽菜は早起きして身支度をしていた。
今日は和哉と初デート。
カッコイイ和哉に少しでも釣り合うように、陽菜もオシャレに気合いを入れた。
「陽菜おはよー
わぁ……可愛いね?」
怜香が褒めてくれて気分も高まる。
準備が終わった頃にはもうすでにみんなリビングで朝ごはんの時間だった。
ふとソファを見る。
……岳はいない。
「はぁ…」
陽菜は嘆息した。
あれから岳とは口を聞いていないのだ。
気まずいし…
「陽菜ちん、かずくんじゃなくて俺とデートしようよー」
擦り寄ってくる光くん。
陽菜よりも身長がちっちゃい光くんは年上なのに弟のようだ。
「光…お前の場合はデートにならないよ。おそらく道行く人はみんな親子って思うぞ?」
「大和くん失礼!!」
光くんは大和さんの頭をポカポカと叩いた。
その場が笑いに包まれる。
するとインターホンが鳴った。
「あ……和哉じゃない?」
「そうかも!!行ってくるね!!」
「…楽しんできてね?」
怜香が微笑む。
この時は気づいていなかった。
……それが何なのかは
また別の話なんだけど。