君がくれたぬくもり
第51章 火遊び
ある夏の昼下がり。
あたしはベッドに寝そべっていた。
岳ちゃんは上半身裸のままベッドに座りタバコを吸っている。
岳ちゃんのタバコの匂いはわりと好きだ。
あたしはタバコを吸う岳ちゃんの背中に絡み付き、甘える。
「岳ちゃん……」
――――♪♪♪
その時、携帯が鳴った。
あたしじゃない。
岳ちゃんの携帯だ。
「だぁれ?」
「……怜香…」
それを聞いてほっとする。
怜香さんは岳ちゃんの妹。
やましいことなんて何もない。
「出なよ。」
「わりぃな。」
岳ちゃんはあたしをそっとベッドに倒すと、
あたしの上に乗りながら、携帯に耳を当てた。
「もしもし…」
『もしも~し♪あのさー、明日なんだけどね~?』
「明日?……あぁ……」
ん?
明日?
何かあるのかな?
『岳兄は和哉の車か、バイクなんだけど、どうする?
ちなみに和哉の車には陽菜も乗る予定なんだけどね~』
――――ドクンッ
出た……
“陽菜”……さん…