君がくれたぬくもり
第51章 火遊び
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昼になった。
あたしと岳ちゃんは海で少し遊んだ後
みんなのいるパラソルに戻った。
なんだかんだであたしと一緒にいてくれる岳ちゃんは、きっとあたしが好きなのだ。
陽菜ちゃんよりも
好きになろうとしてくれてるんだ。
パラソルに戻ると、陽菜ちゃんの顔色が悪かった。
怜香さんが慌てて駆け寄る。
あたしは岳ちゃんの震える手をそっと握った。
“体調悪いならさっさと帰ってよ。”
具合の悪い陽菜ちゃんにそんなことを思ってしまうあたしは最低だ。
「ちょっと陽菜大丈夫?!」
「大丈夫だよ。」
「やっぱりきつい…?」
「んー…ちょっとね?
でも大丈夫だから!
あっ、かき氷でも買ってこようかな~」
元気を装う陽菜ちゃんに何だか無性に腹が立って…
あたしも財布を持った。
「あっ!
陽菜ちゃんあたしも行く!」
「え…」
「あたしもかき氷食べたかったの!」
「あー…うん…行こっか?」
陽菜ちゃんの顔は
明らかに引き攣っていた。