君がくれたぬくもり
第51章 火遊び
更衣を済ませ、パラソルに行くと誰もいなかった。
岳ちゃんもいない…
あたしはパラソルの下に腰を下ろし、岳ちゃんが帰ってくるのを待った。
しばらくすると、背後から岳ちゃんの声がした。
帰ってきた!!
声のする方に振り向く。
え………
「も~っ!バカバカ!!」
「はいはい(笑)」
なんで隣に陽菜ちゃんがいるの……?
激しく暴れ出す心臓…
沸き起こる嫉妬心…
狂ってしまいそうな感覚に陥った。
だって悔しいけど…
お似合いなんだもん…。
岳ちゃんの顔が幸せそうなんだもん…。
幸せそうな岳ちゃんの顔は好き。
でも…腹が立ってしまう。
彼女じゃないくせに
彼女みたいな顔して…
二人はパラソルの近くまで来ると、足を止めた。
さっきまでの笑顔は消える。
あたしってそんなにお邪魔?